プロの為替トレーダーが好む「ポンドドル」の落とし穴とは?

FX初心者の頃、知識も経験もなくポンドドルのトレードをしたことがあります。なんと200PIPSも取れて大儲け!しかし、次のポンドドルのトレードで大損を出して地獄を見ました(笑)。為替取引の難しさを痛感した瞬間でした。

ここでは、FX初心者がポンドドルの為替取引をする時の注意ポイントやトレード方法について詳しく解説します。

ポンドはかつて世界の基軸通貨だった!

今ではちょっと想像できませんが、イギリスが大英帝国として繁栄をしている頃、ポンドは今のドルのような世界の基軸通貨でした。

しかし、第2次世界大戦後アメリカの台頭により、米ドルが世界の基軸通貨になりました。そして、ユーロの誕生で、ポンドは昔と比べるとやや下に押しやられてしまった感があります。

とはいえ、ポンドドル(GBPUSD)は、為替市場の中でも流動性が高く、主要通貨ペアの中でも大きなシェアを占めています。

ポンドのホームグラウンドであるロンドン市場は、外国為替取引において世界シェアの40%超を占めているといわれています。

欧州市場のオープン後、早起き為替トレーダーたちが、ポンドドルやユーロドルなどのトレードを活発に開始、その流れはロンドン市場でも続きます。

特に、ポンドドルは、東京市場で上昇(下落)していても、欧州市場オープン後に一気に売られたり(買われたり)することがあり、FX初心者には相場の見極めが難しい時間帯であるといえます。

わたしは、過去に何度もこの時間帯でポンドドルの落とし穴に落ちました!

ポンドはFX初心者には刺激が強すぎる?!

2016年6月24日にEU離脱が国民投票で決まった英国。その時の「ポンド」暴落は記憶に新しいですね。

EU離脱はないだろうという市場の思惑が外れた後の為替レートの動きは、まるで「フリーフォール」!あまりの動きの激しさに、チャートを見ながら青くなり、固まってました(笑)。

この日、ポンドドル(GBPUSD)の為替レートは、1.50台から1.32台まで急落し、なんと1日の動きは約1,790PIPSでした!これで、大儲けしてセレブ人生に突入した人もいれば、破産して下流社会へと押し流された人もいたわけです。

もちろん、これは例外的な動きでしたが、ポンドは非常に変動幅の大きい為替通貨で、ポンドドル(GBPUSD)やポンド円(GBPJPY)の通貨ペアも1日に50から100PIPSほど平気で動いてしまいます。

その値動きの大きさが大変魅力的なので、プロの為替トレーダーは、ポンドドルやポンド円を好んでトレードするわけです。

だからといって、FX初心者がいきなりポンドでトレードすると、大損失どころかロスカットや破産なんてこともにもなりかねないので、大変注意が必要です。

FX初心者は、よく動いている為替相場のほうが、利益を上げられると思いがちで、動きの良いポンドを取引するほうがいいと感じてしまいます。この思い込みは、FX初心者にとっては大きな落とし穴です。

確かに、為替相場は動かないと話にならないのですが、ポンドに関しては、ローソク足が長いヒゲを伸ばしたり、チャートの形が極端になったりすることがあります。

理由として、欧州市場がオープンすると、ヘッジファンドや為替トレーダーなどの海外投機筋が、短期売買で利益を上げようと活発に売り買いのトレードをするからです。

FX初心者は、それを見て「なんじゃこりゃ!?」となってしまい、今まで為替チャートの分析や学んだ基礎が頭から吹っ飛び、相場の上げ下げに巻き込まれ、自分を見失ってしまうのです。ポンドが「殺人通貨」と呼ばれているのも納得です。

では実際のポンドドルの為替チャートで見てみましょう。まず日足の為替チャートです。

ポンドドルは、全ての移動平均線の上にローソク足が位置していて、ちょっと上値が重くなっていますが、上昇トレンドです。紫の点線の箇所は、2017年5月9日です。

これから、この5月9日の為替レートの値動きを見ていきます。ついてきてくださいね!

次は、ポンドドル4時間足の為替チャートです。

日足の為替チャートと同じように、全ての移動平均線の上にローソク足が位置しています。「もうちょっと上がるかな?」とFX初心者はスケベ心を出す場面です(笑)。

次は、ポンドドル1時間足の為替チャートです。

5月9日以前に、1時間足レベルでダブルトップを形成しているので、上値は重いかなとも思えますね。「うーん、どっちだろう」とトレード方針が決まらずに、欧州市場オープンになりました。

次にポンドドル5分足の為替チャートです。

紫の点線が、5月9日のロンドン時間7時です。この後のローラーコースターのような為替レートの動きについていけるでしょうか?

FX初心者がこの値動きを目の当たりにすると、最初下がり始めたところで、あわてて売ることに!そして、上にレートが振られたところで損切り。「やっぱり上にいくのか!」と思って、あわてて買ったら、また下がって損切り。

これがFX初心者がよくやってしまうあるある失敗トレードです。「ポンドドルはよく動くから、利益も大きい」といわれる裏には、このような落とし穴があることを覚えておきたいものです。

この場合、チャート分析をしてよくわからないと思ったら、様子見するのがベスト。トレードしないこともトレードのひとつです!

ポンドドルにはブレイクアウトが有効!トレード方法と注意点とは?

日本の為替トレーダーは、クロス円を好むのでポンド円(GBPJPY)をトレードするようですが、ドルストレートのボンドドル(GBPUSD)は、ポンド円ほど値動きが荒っぽくありません。

火傷覚悟でポンドのトレードをしたいようであれば、ポンド円よりポンドドルをおすすめします。ポンド円でトレードをする場合、ドル円の動きとポンドドルの動きの両方を見ないといけません。

しかし、ポンドドルであれば、ポンドとドルだけの関係だけですから、ポンド円より素直にレートが動く傾向にあります。

ポンドドルでおすすめのトレード方法は、ブレイクアウト手法です。個人的にはサポートラインを下抜ける下降相場でのブレイクアウトが好きですが、為替チャートを分析して、相場環境が良ければレジスタンスを抜ける上方向のブレイクアウトもOKです。

下図はポンドドル1時間足の為替チャートです。水色のレジスタンスラインを抜けて、レジスタンスラインがサポートラインと機能したのを確認して買いエントリーです。

ただ、ポンドドルは、上昇の勢いが強い反面、下げる時も早いので、あまり待たずに利確は早めにしたほうが確実のような気がします(個人的意見ですが)。

それから、ポンドドルをトレードする時、夕方に発表されるイギリスの経済指標には気をつけましょう。指標の結果を受けて、短期トレーダーなどの投機筋が仕掛けてくることがあるので、変動幅が大きくなります。

発表前にポジションを持っていたら、一旦、手仕舞うことをおすすめします。

まとめ

動きがローラーコースターなみに激しく、ちょっと扱いにくいポンドドルですが、為替チャートをしっかりと分析して、短期売買であっても計画にそったトレードをすることが大事です。

例えば、チャート分析の結果、「今日は買いだ!」と思ったら、例え為替レートが自分の意に反して下がったとしても、飛び乗って売りエントリーをしないことです。

特に、ポンドドルは上下に乱高下することが多いので、それに合わせて飛び乗っていたら、往復ビンタをくらうことになります。

FX初心者には難しいポンドドルのトレードなので、まずはしっかりデモ口座で練習を重ねてください。ポンドドルであっても、基本に忠実なトレードをすれば、大やけどはしないですむはずです。

そのうち35億5000万円の利益も夢じゃないかもしれませんね!(笑)

こちらの記事もご覧ください。 ⇒エントリーはここです!レンジ相場抜けをねらうトレード手法

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