目からうろこ!?レンジ相場でも使えるフィボナッチ活用法

トレンド相場の押しや戻りを予測するのに使われる人気のフィボナッチ。レンジ相場では役に立たないと思われがちですが、トレンド相場の途中で現れるレンジ相場(中段保ち合い)でフィボナッチが使えることをご存知でしょうか?

ここでは、あまり知られていないレンジ相場でのフィボナッチの活用法についてわかりやすく解説します。

自然界に存在する比率ならFXの世界にも存在する?

黄金比という自然界に多く存在する比率がFXトレードの世界にも存在する?まるで都市伝説みたいですが、FXトレードでよく使われるフィボナッチは黄金比を用いた分析方法です。為替チャートの分析のために開発されたテクニカル指標だと思っている人も多いようですが実は違うんです。

黄金比は、下図のように星形五角形(正五角形)から導かれる数値で、一番均整が取れていて美しい比率であるといわれています。そして、この黄金比は、自然界に多く見られる比率なんだそうです。オウムガイなどの巻貝やひまわりの種の並び、台風、そしてDNAなどもこの比率になっているなんて不思議ですね。

人間がこの黄金比が用いられたモノを見ると、美しいと感じることから、ピラミッド、パルテノン神殿、はたまたアップル社のりんごマークのロゴにもこの黄金比が使われています。ちなみに美人美男の顔のパーツの比率も黄金比になっているとか。

自然界に多く見られるなら、FXの世界でも見られるはず!という考えで、黄金比に基づいたフィボナッチ分析が使われています。

フィボナッチを使うと目に見えないラインが現れる!

そもそもフィボナッチは、レンジ相場ではなくトレンド相場において押し目や戻りを予測するのに使う分析方法です。例えば、トレンドが上昇した時、押し目買いをしたいと思いますよね?

その時、どこまで押してくれるかわからない、つまりどこがサポートラインになるのか分からないわけです。そんな時、フィボナッチを使うと目に見えないサポートラインが現れるのです。

同じように、下降トレンドであれば、戻り売りをしたいと思います。その時、どこまで値が戻るのか、つまりどこがレジスタンスラインになるのかが予測できないわけです。そんな時、フィボナッチを使うと戻りの目処が見えてくるのです。

数式や難しい説明は省きますが、フィボナッチで覚えておきたいのは、23.6%、38.2%、50.0%、61.8%、76.4%(表示してもOK)の数値です。

下のチャートはドル円1時間足のチャートです。一度、23.6%が意識され、レートが反転上昇しましたが、ダブルトップになって、一時下落しました。この押し目は38.2%になっていますね。何度か38.2%を試す展開になっていますが、このラインを抜けずに、サポートラインとして機能していることがわかります。

注意点として、フィボナッチ38.2%ラインに達したからといって、すぐに買いエントリーをしてしまうのはリスクが高いので、よほど自信がない限りはしないほうがいいですね。

このチャートはダブルトップのような形を形成した後、ネックライン(フィボナッチの23.6%ラインと同レベル)を割ってきています。そして、ローソク足も移動平均線の下に位置しているので、更に下がる可能性もあるし、一旦反転上昇しても、フィボナッチの23.6%ラインで跳ね返される可能性もあります。

実際、38.2%ラインに達した後、フィボナッチ23.6%ラインがレジスタンスラインとして機能して、もう一度38.2%レベルまで下落しています。しかし、38.2%ラインは下抜けることなく、やはり38.2%は固いのだなと確認して、反転上昇しているのがわかると思います。

次は、下降トレンドの例です。下図は、4時間足の豪ドルドルの為替チャートです。一旦、フィボナッチ23.6%が意識された感じですが、結局38.2%まで戻して、再び下落しています。値動きを良く見ると、23.6%と38.2%のラインが意識されていることがわかると思います。

この場合も、前に説明したように、フィボナッチのラインに達したからといって、すぐに売りエントリーするのではなく、日足の長期足の為替チャートで全体の流れを把握し、1時間足や分足の為替チャートでエントリータイミングを計る必要があります。

こんな時にフィボナッチはレンジ相場で使える!

フィボナッチは、レンジ相場では使えないと思っている人も多いと思いますが、その時のチャート状況によっては、有効活用できます。

下記のドル円の日足の為替チャートを見てください。上昇トレンド相場が続いた後によく現れる中段保ち合いのレンジ相場になっています。

この上昇の安値から高値までフィボナッチを引いてみると、このようになります。一旦、50%の半値押しの後、半年間にわたってレンジ相場が続いています。フィボナッチ50%あたりがサポートライン、23.6%あたりがレジスタンスラインになっていて、そのレンジ内でレートが推移しています。

50%あたりで買いエントリーをすれば、日足なのでレンジ幅が広く、100PIPSから150PIPSぐらい取れそうです。トレードを始めた頃は、レンジ相場だから、レンジの下限で買い、レンジの上限で売りを繰り返せばいいと思いがちなのですが、残念ながらそううまくいかないのが相場です。

この場合、あくまでトレンドは上昇なので、売りから入らず、必ず買いから入ること。そして、レンジ相場なのであまり欲張らず、ある程度の利益が取れたら決済することが重要です。

そして、フィボナッチを単体で使うのではなく、他のテクニカル指標と併用してみることをおすすめします。この為替チャートの下にストキャスティックスも表示してみました。レートがフィボナッチの50%レベルまで押した場面で、ストキャスティックスが25%以下でクロスしたら買い、そして、75%以上でクロスしたら利益確定する、といったトレード方法も考えられます。このチャートでは、緑丸で買いエントリー、水色丸で利益確定をします。

エントリーする時は、1時間足や15分足などの短い時間足でタイミングを計って入ると、より正確なトレードが出来て、大きな利益が取れると思います。

もうひとつ例をあげますね。下図は日足のポンドドルの為替チャートになります。下降トレンドの途中のレンジ相場です。高値から安値までフィボナッチを引くとこうなりました。

一旦38.2%が意識され、戻り売りのチャンスですが、最安値は更新できず反転上昇しています。ここで一旦下降トレンドからレンジ相場に移行するかもしれないと予測できます。レートを見ると、フィボナッチの38.2%、50%、61.8%が意識されていることがわかりますね。

この場合も、下降トレンド途中のレンジ相場で、中段保ち合いと考えられますので、エントリーする時は長期のトレンドに逆らず、必ず売りエントリーから入りましょう

そして、ストキャスティックスなどのテクニカル指標を一緒に使うことで、エントリーの裏づけをするといいですね。このチャートの場合、緑丸で売りエントリーをしオレンジ丸で利益確定をします。

まとめ

「習うより慣れろ」という言葉があるように、いろんな場面でまずフィボナッチを引いてみてください。通貨ペアによっても、多少癖があり、他の通貨ペアに比べて押しが浅めの通貨ペアがあったり、戻りが深い通貨ペアがあったりします。フィボナッチを引くことで、そういった通貨ペアの動きの癖もわかって面白いと思います。

フィボナッチは、トレンド相場で活用するのが基本的な使い方ですが、日足レベルで長いレンジ相場になった場合は、フィボナッチが有効に活用できることもあります。

フィボナッチを使うときには、トレンドラインや移動平均線、その他テクニカル指標を併用して使うことで、トレード判断の裏づけとして使うのがおすすめです。

こちらの記事もご覧ください。 ⇒FX初心者でも簡単に使える!レンジ相場に強いテクニカル指標

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