実際のチャートで徹底解説!レンジ相場兆候の見極め方

「もっと早くレンジ相場に入る兆候を見極めることが出来たら、損を出さずに済んだのに!」と思ったことがあったら、FX初心者から一歩抜け出せた瞬間かもしれません。なるべく早くレンジ相場に入る兆候を察知できれば、常勝トレーダーの仲間入りができる可能性大です

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ここでは、実際のチャートでレンジ相場兆候の見極め方を徹底解説します。

簡単だけど強力!レジスタンスラインとサポートラインを使った見極め方

レンジ相場兆候の見極め方は、レジスタンスラインとサポートラインをしっかり引くことからはじまります。簡単すぎて拍子抜けしてしまったかもしれませんが、多くのトレーダーがレジスタンスラインとサポートラインに注目しているので、非常に重要なポイントです。

特に、週足や日足といった長期の為替チャートで引けるレジスタンスラインとサポートラインは、非常に強力に機能し、レートがそこで跳ね返されたり、支えられたりする可能性が高いのです。長期のチャートのラインは、多くのトレーダーが見ているので、意識されやすいわけです。

あらかじめ、レートはこういったラインで一旦止まることを想定しておけば、そこから、しばらく中段保ち合いのレンジ相場になることや、レンジ相場の後、相場が反転することなどが予測できます。この特徴を使ったレンジ相場の見極め方は、シンプルでわかりやすいですね。

雇用統計などの重要な経済指標の発表や政策金利の発表後に、為替レートが大きく動くことがあります。それほど強くないレジスタンスラインやサポートラインなら、突き抜けてしまうこともありますね。でも、長期足の誰の目にもあきらかなレジスタンスラインやサポートラインではレートがぴたっと止まることもあります。

相場の行き過ぎがわかる!移動平均線乖離率を使った見極め方

あまりにもレートは買われ過ぎ(売られ過ぎ)の状態にある場合、しばらくレンジ相場になることが予測されます。下図はドル円の日足の為替チャートですが、移動平均線乖離率も表示してみました。

移動平均線乖離率は移動平均線20日と現在のレートがどれだけ離れているかを表したものです。目安として、日足のチャートの場合は、3%を上回ったらレートは買われ過ぎ、-3%を売られ過ぎと判断します。(注:時間足や分足では、この目安である率が変わってきます。)

この移動平均線乖離率を使った見極め方は、水色で示したところを相場の行き過ぎと判断します。この後、一旦、下げ止まって、中段の保ち合いのようなレンジ相場になるかもしれないと考えられます。この時に、前述のレジスタンスラインやサポートラインと一緒に使うことで、より正確にレンジ相場の兆候を見極めることができます

上の日足チャートの水色の場面では、移動平均線乖離率が-3%を下回っているので、ここで無理に売りをしかけるのは、少々リスクの高いトレードになります。

実際のチャートでレンジ相場の兆候を見極めてみよう!

実際のドル円の為替チャートを使って、レンジ相場の兆候の見極め方を説明していきます。出来上がったチャートではなく、コマ送りで進めていきますので、チャートがどうなっていくかを予測しながら見てくださいね。

まずは長期足の週足のドル円為替チャートから見てみましょう。この時点では、今まで上昇を続けていたドル円が、やや三尊(ヘッドアンドショルダー)のような形状になっていて、レジスタンスラインを抜けて下落している途中です。

チャートの左側に高値をつけた山があり、そこから引いたラインがサポートラインとして機能するのではないかということに注目です。

次は同じ場面を日足チャートにして見てみます。チャートの下に移動平均線乖離率を表示しました。ピンク丸のところでわかるように、移動平均線乖離率が-3%を下回っています

さらに、下に週足からのサポートラインが控えていること、ローソク足が長いヒゲを伸ばしているのがわかります。こういった点から、レートはここで一旦下げ止まるのでは?という予測が出来ます。

次は4時間足にして同じ場面を見てみます。ここでも、週足からのサポートラインが意識されて、下げ渋っているのがわかりますね?ここに、新たにピンク色のライン、サポートラインを引きます。

さらに、1時間足レベルのチャートでも見てみましょう。新たに引いたサポートラインで、反転上昇しているのがわかります。5分足レベルではダブルボトムのような形をつくって上昇しているはずです。そして移動平均線MA20(赤線)の上にローソク足が支えられる状態になっています。

ここで言えるのは、短期の下降トレンドは一時的に終了したということ。レンジ相場の兆候の見極めは、この時点では難しい感じです。

さて、少し時間を進めてみましょう。ドル円はその後どうなったでしょうか?

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同じように、日足のチャートから見ていきましょう。上の緑の線2本は、日足レベルでのレジスタンスラインです。ここが意識されたようで、日足のローソク足が陰線を引きました。この時点では、日足レベルでは下降トレンドなので、戻り売りを考えるトレーダーもいそうですね。

次は4時間足。4時間足では20日間移動平均線(赤線)にサポートされていて、この時点だと、まだ上昇する可能性も残されています。

次は1時間足。ややダブルトップのような形は出ていますが、ローソク足は全ての移動平均線の上に位置しているので、この時点ではここから上がるのか下がるのか見極めるのが微妙なところ。

更に、時間をすすめてみましょう。また日足から見ていきます。レートは反転下落して、青のサークルのところでサポートラインをトライしました。しかし、サポートラインで止められ、ローソク足が長いヒゲを伸ばしています。

次は、同じ場面の4時間足チャートです。青のサークルのところ、サポートラインで反転上昇しています。

そして、同じ場面の1時間足チャート。サポートラインで反転上昇し、ローソク足は20日と50日の移動平均線にサポートされ推移しています。ここで、レンジ相場の兆候が現れたといえます。つまり、新たに引いたレジスタンスラインと新たに引いたサポートラインの間を行ったり来たりする可能性があると考えられます。

少なくとも、ここで売りを仕掛けたり、あわてて買ってみたり、といった値動きにつられたトレードはなくなると思います。このように、単にレジスタンスラインとサポートラインを引くだけで、レンジ相場の兆候を察知できるわけです。多くのインジケーターを使ったりしなくてもできる、簡単な見極め方といえるのではないでしょうか?

さらに時間を進めて。日足のチャートを見てみましょう。やはり、レンジ相場になりましたね。

ピンク丸のところは、レジスタンスラインを意識しているので、ローソク足もタッチすることなく反転下落を繰り返している場面です。レンジ相場に入っていることがよくわかりますよね。そして、売り圧力も強いことがわかります。

同じ場面の4時間足です。ピンクのサポートラインを抜けた場面もありましたが、ヒゲで抜けただけでローソク足の実体では抜けていません。つまり終値ベースではサポートラインをブレイクしていません。

下図の1時間足で見ると、ピンク丸のところでローソク足の実体が抜けています。1時間足で入ってしまうと、だましに合う場面ですね。結局、3度目のサポートラインのブレイクも失敗です。

また時間をすすめます。日足チャートです。3度目のサポートラインのブレイクを失敗して、レートは水色丸まで戻りましたが、反転下落し4度目のサポートブレイク成功の場面ですね。こういったチャートパターンはよく見られるので、覚えておくといいと思います。

まとめ

レンジ相場兆候の見極め方は、基本、レジスタンラインとサポートラインを使うだけでも出来てしまうシンプルなものです。週足や日足のレジスタンスラインとサポートラインは、とても重要なので、見落とさずしっかり引けるように練習してくださいね

現在の相場の全体像や相場環境がわかると、レンジ相場の兆候が見極められるようになってきます。すると、トレードをする際に、レンジ相場になる可能性を念頭に置きながらトレードをするので、上がったら買う下がったら売るといった、値動きにつられたトレードをすることなく、落ち着いたトレードが出来るようになるでしょう。

こちらの記事もご覧ください。 ⇒単純明快!レンジ相場を簡単に判断するインジケーターとは?

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