FX初心者は、トレンド相場とレンジ相場をうまく見分けられず、大きな利益を逃してしまいます。
トレンド相場の高値(安値)をつかまされたり、レンジ相場で売り買いを重ねていると、損失は膨らむ一方。
ここでは、トレンド相場とレンジ相場のシンプルな見分け方を解説します。
なぜトレンド相場かレンジ相場を見分ける必要があるの?
ずばり、「トレンド相場ではレンジ相場より儲けやすいから!」です。
基本、為替相場で儲けるためには、上昇トレンド相場では、買ったレートより高いレートで売れば、その差が儲け分です。
そして、下降トレンド相場では、売ったレートより低いレートで買い戻せば、その差で儲けが出ます。ようするに、上昇であれ下降であれ、トレンド相場では利益をあげやすいということですね。
レンジ相場で利益をあげるトレード方法もありますが、より高度なトレード技術が必要になってきますので、
FXトレード初心者は、まずトレンド相場で確実に利益を出せるようになることが大事です。
ということで、FXトレード初心者は、トレンド相場とレンジ相場の見分け方がわかれば、スイングトレードであれデイトレであれ、トレードスタイルに関わらず、為替相場で利益をあげていけると思います。
トレンド相場とレンジ相場の簡単な見分け方とは?
FXトレード初心者に「トレンド相場とレンジ相場の見分け方を知っていますか?」と聞くと、「為替チャートでレートが上昇(下降)してればトレンド相場、レートが横に推移していれば、レンジ相場ですよね。」と答える人が多いです。
もちろん、間違いではないのですが、見た感覚で現在の相場をトレンド相場だと決めてしまうのは、ちょっと怖くないですか?
人間の感覚は、あいまいなこともあるので、何か明確なトレンド相場とレンジ相場の見分け方があれば、トレードする際に自信がつきますよね?
そのトレンド相場とレンジ相場の見分け方として、ダウ理論を使って見分ける方法があります。
なんか難しく聞こえますが、とてもシンプルで明確な見分け方なので、FXトレード初心者にはおすすめの方法です。
ダウ理論を使ったトレンド相場とレンジ相場の見分け方
さて、そのダウ理論、チャールズ・ダウという人の名前からついた理論です。
ダウ氏は、19世紀末アメリカの証券株式アナリストであり投資家でもあった人。このダウ理論は100年以上も前に提唱した理論にもかかわらず、今でも使われている優れものです。
FXトレード初心者が陥る罠として、新しいテクニカル分析のほうが優れていると思ってしまうこと。
もちろん、新しいテクニカル分析を使ってみること自体は悪いことではありませんが、100年以上も使われているテクニカル分析は、最強であるともいえます。長く使われているということは、それだけ信用して使っている人が多いということ。
もし、その時の為替相場にたまたま合っていたテクニカル分析であれば、既にすたれて消えているはずです。
ということで、特にFXトレード初心者は新しいテクニカル分析に飛びつくよりも、市場で長く使われている古典的なテクニカル分析をまずマスターすることをおすすめします。
話がそれましたが、このダウ理論をイメージ図(チャート)で見ていきましょう。
ダウ理論は、人によって多少見方が変わるものの、基本的な理論は同じです。
上昇トレンド相場では、一直線に為替レートが上がっていくことはありません。必ず、どこかで一旦安値(押し安値)をつけて上昇し、前の高値を上抜けて、更に上昇し、高値をつけます。
下降トレンド相場では、一旦高値(戻り高値)をつけて下降し、前の安値を下抜けて、更に下降し、安値をつけます。
トレンド相場の例(イメージ図)で説明すると、高値①をつけた後、安値②で押して、高値①を赤点線のところでレートが抜けています。
この赤点線を抜けたら、上昇トレンド継続です。
その後、高値安値を切り上げレートが順調に上昇していき、高値⑨をつけた後、安値⑩をつけました。
まだ、この時点では上昇トレンド相場ですね。しかし、次の高値⑪が高値⑨を抜けず、高値⑪からレートは下がってしまいました。ここで、高値が切り下がってしまい、上昇トレンドが終わるかもしれないと推測することができます。
その後、レートは安値⑩を下抜け、安値⑫をつけ、高値安値とも切り下げ、トレンドは下降トレンドに入った判断します。
安値⑩を抜けたところで、売りをしかけるFXトレーダーが多いのは、ここで下降トレンドに入ったと考えるからです。
ダウ理論を使えば、高値安値が切り上がり、高値安値が切り下がっている時はトレンド相場、そうでなければレンジ相場といったように、わかりやすい見分け方といえるのではないでしょうか?
このように、トレンド相場の見分け方は非常にシンプルですが、実際の為替チャートを見ると、一気に混乱してしまう人がいます。
でも、落ち着いて為替チャートを見て、高値と安値を確認していけば大丈夫です。
この見分け方に慣れるまでは、為替チャートを印刷して、高値安値に印をつけ、値動きを追いながらどこでトレンド相場が終わったのかを考えながらチャート分析をするといいトレーニングになります。
移動平均線を使ったトレンド相場とレンジ相場の見分け方
ダウ理論のほかに移動平均線を使った、トレンド相場とレンジ相場の見分け方があります。これは純粋に目で見て見分ける方法です。
実際の為替チャートを見てみましょう。下図はユーロドルの4時間足の為替チャートです。
ここでは、20日移動平均線、50日移動平均線、100日移動平均線を3本表示させています。
離れていた移動平均線が3本が近づき、だんだん水平になり、縄のように絡み合っています。これは、レンジ相場になっていることを意味します。
一方、トレンド相場の時は、下図のように各移動平均線がばらばらに離れていますよね。
このように複数の移動平均線の方向や離れ具合、近づき具合を見ることで、トレンド相場とレンジ相場を見分けることができるわけです。
単純な見分け方なので、FXトレード初心者は知っていて損はないですよね。
トレンド相場かと思ったらレンジ相場?時間足によって変わる相場環境
FXトレードをする際に、ひとつの時間足の為替チャートだけを見てトレードするのは、ちょっと無謀なトレードかもしれません。
例えば、5分足のチャートを見てトレードしている人は、必ずしも5分足だけを見てトレードしているわけではありません。
大きな流れの中のトレンドを把握してトレードをした方がリスクの低いトレードスタイルになります。
つまり、週足、日足、4時間足、1時間足、30分足、15分足、5分足などの為替チャートで現在トレンド相場なのかレンジ相場なのかを各時間足で確認しています。
なぜそんな必要があるかというと、どの時間足の為替チャートを見ているかによって、トレンド相場だったりレンジ相場だったりするからです。
実際の為替チャートを見てみましょう。
先程のユーロドルの為替チャートのレンジ相場の部分ですが、その一部を下図のように5分足チャートで見ると、上昇トレンドになっていますね。
この5分足チャートだけを見て、上昇トレンド相場だと思い込んで強気に買っていると、いつの間にか下降トレンドになっていて、損切りになりかねません。
わたしはいつもトレードをする前に、毎日、ダウ理論に基づいたトレンド相場とレンジ相場の見分け方を意識しながら、日足から順番に時間足を短くして見ていきます。
例えば、どの時間足でも上昇トレンド相場だったら、これは買いやすい相場ですよね。でも、全ての時間足でレンジ相場だったら、レンジを抜けるのを待つという選択ができるわけです。
毎日、全部の時間足を見るのは面倒ではありますが、トレードの勝率や利益につながることなので、必ず実行してみて下さいね。
まとめ
FXトレードで利益を積み上げていくために、トレンド相場とレンジ相場の見分け方はしっかり覚えておきましょう。
ダウ理論での見分け方は、シンプルかつ最強なので、実際の為替チャートを見ながら、高値と安値は切り上げているのか、それとも切り下げているのかを常に意識することが大事です。
そうすると、なんだか適当に動いているように見える為替チャートも、意外に論理的に動いていることがだんだんわかってくるようになります。
こちらの記事もご覧ください。 ⇒レンジ相場はトレンド相場転換への予兆?その見分け方と判断とは
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