レンジ相場でトレードをする時、どこで買いどこで売るかを悩むことはありませんか?
トレンドラインや移動平均線などのテクニカル指標は、レンジ相場では役に立たなくなってしまいます。そんな時は、レンジ相場で力を発揮できるテクニカル指標が武器になります。
ここでは、レンジ相場でFX初心者でも簡単に使えるテクニカル指標をご紹介します。
為替チャートのテクニカル分析に使うテクニカル指標とは?
テクニカル指標には、順張り系(トレンド系)テクニカル指標、逆張り系(オシレーター系)テクニカル指標、そして、その他に両方の性質を持ち合わせているテクニカル指標などがあります。
順張り系のテクニカル指標は、為替相場の方向性、つまり相場は上向きなのか下向きなのか、を示してくれます。対して、逆張り系のテクニカル指標は、相場の勢い、つまり相場が上昇(下落)するときの勢いを表してくれます。
トレンド相場でよく使われるテクニカル指標は、移動平均線、ボリンジャーバンド、MACD、一目均衡表などがあります。
そして、レンジ相場でよく使われるテクニカル指標は、ストキャスティックス、RSIなどがあります。MACDに関しては、厳密に言うと、トレンド系のテクニカル指標に分類されるのですが、逆張りトレードでも使える特性を持っています。
レンジ相場では、逆張りのシグナルを出してくれる逆張り系(オシレーター系)テクニカル指標をうまく使っていくと投資判断の強力な武器になります。その武器を上手に使いこなすためには、テクニカル指標の長所と短所を深く理解することが重要になってきます。
レンジ相場では代表的な逆張り系テクニカル指標、ストキャスティックスがおすすめ!
FXトレーダーに人気のストキャスティックスは、為替相場で売られ過ぎや買われ過ぎを教えてくれる、代表的な逆張り系テクニカル指標です。
ストキャスティックスには、スローストキャスティックスとファストストキャスティックスの2種類があります。レンジ相場では、両方のストキャスティックスでも問題なく機能します。
スローストキャスティックスとファストストキャスティックスの違いは、スローの方が動きが遅く、線がなめらかになり、2本のクロス線が減るので、いわゆる「だまし」のシグナルがファストより減ることになります。
下図はスローストキャスティックスのテクニカル指標をチャートに表示させたものです。
2本のラインが示されていますが青ラインを「%K」、赤ラインを「%D」と呼びます。この2本のラインが0から100の水準内で上下します。基本的に、「%K」と「%D」のレベルが70-80を超えた場合は買われ過ぎ、逆に、20-30を割ってくると売られ過ぎと判断します。
使い方は、「%K」が「%D」が売られすぎのゾーン(20-30を下回ったゾーン)でクロス(緑の丸)して上抜けたら買いエントリーします。逆に、「%K」が「%D」が買われ過ぎのゾーン(70-80を上回ったゾーン)でクロス(オレンジ色の丸)して下抜けたら売りエントリーをします。
しかし、レンジ相場だからといって、シグナルどおりに売ったり買ったりを繰り返していたら、「だまし」にあってしまいます。どのテクニカル指標でも、100%正確なシグナルを出すことはありません。
では、どのように使ったらいいのでしょうか?
実際の為替チャートとストキャスティックスを組み合わせて見てみましょう。下図はポンドドル(GBPUSD)の5分足の為替チャートです。一定の幅でレートが上下に推移しているので、レンジ相場だということがわかります。
よって、上に黄緑のラインのレジスタンスラインと下にサポートラインを引くことができます。
基本、レンジ相場で売り買いをする場合、なるべくサポートラインもしくはレジスタンラインに引き付けてエントリーします。
例えば、最初の緑色の丸は、ほとんどサポートラインに近づいています。ここで買いエントリーをするといいのですが、何かしらの裏づけが欲しいですよね?そんな時に、ストキャスティックスに助けてもらうわけです。
ストキャスティックスを見てみると、緑色の丸は25の水準を下回ってクロスしているので、買いエントリーのシグナルを出しています。そして、今度はレジスタンスに近くなったら売り決済をします。オレンジ色の丸で囲んだあたりです。ここで、ストキャスティックスを見ると75を上回ったところでクロスしているので、売りのシグナルを出しています。ここで、新規の売りエントリーをしてもいいですね。
しかし、真ん中あたりの矢印に×をつけたところを見て下さい。シグナルが出ていますが、これは「だまし」のサインと見ることが出来ます。なぜなら、この「だまし」のシグナルが出ている水準の為替レートは、レジスタンスラインとサポートラインから離れていて、中途半端な位置ですよね。なので、このサインは無視していいと思います。もし買いポジションを持っていたら、決済してもいいかもしれません。
一番最後の2つのオレンジ色の丸はレジスタンスラインに接しているか、ヒゲで出ているだけなので、絶好の売りエントリーと考えたいところですが、残念ながらストキャスティックスでは売りのシグナルが出ませんでした。「だまし」のシグナルが出ることもあれば、出て欲しいときに出ない場合もあることは、覚えておかないといけませんね。
しかし、このようにレンジ相場では、レジスタンスラインとサポートラインの近くでシグナルが出た場合、正確に機能していることが多く、エントリーや決済の裏づけとして使うことが出来るといえます。
レンジ相場の武器になるRSI
もうひとつ逆張り系テクニカル指標で人気のRSIですが、これもレンジ相場で力を発揮してくれます。RSIもストキャスティックス似ていて、「売られ過ぎ」や「買われ過ぎ」を教えてくれますが、ストキャスティックスは2本線に対して、RSIは1本線のみになります。
RSIの使い方は、RSIの水準が70以上のゾーンでは買われ過ぎ、30以下のゾーンでは売られ過ぎ、と判断し、70以上では逆張りの売りシグナル、30以下では逆張りの買いシグナルが出ていると考えます
下図は豪ドル円の1時間足の為替チャートとRSIを示したものです。豪ドル円の為替レートは一定の幅で上下動いていてレンジ相場になっています。黄緑色のラインはレジスタンスラインとサポートラインなので、為替レートはその範囲内で動くと考えられます。
この場合も、なるべくサポートラインとレジスタンスラインに近いところ、つまりレンジ相場の上限下限近くで売り買いをするのがベストです。最初の緑色の丸はサポートラインにほとんど接しています。そしてRSIをみると、RSIの水準は30以下で買いエントリーのシグナルが出ています。なので、これを裏づけとして、買いエントリーをします。その時に、ラインが上向きになってからエントリーする方が確実でしょう。
そして、レジスタンスライン付近までレートが到達すると、RSIは70以上の水準にあります。ここでラインが下向きになったら売りエントリーをします。その次の緑色の丸、オレンジ色の丸でも同様に繰り返して売り買いをします。
このように、このレンジ相場では、かなり正確に買いシグナルと売りシグナルを出していることがわかります。
まとめ
レンジ相場での投資判断のツールとして、ストキャスティックスやRSIといった逆張り系テクニカル指標を上手に使うことで、より正確な売り買いの判断ができると思います。
ただ、「だまし」のシグナルが出てしまうことも多いので、それぞれのテクニカル指標の長所と短所を理解し、他のテクニカル分析と併用して使うことが大事です。
テクニカル指標は、為替ペアとの相性、為替チャートの時間足との相性などもあるので、どの通貨ペアがどのテクニカル指標と相性がいいのか?や、どの時間足の為替チャートがどのテクニカル指標と相性がいいのかなど、検証してみることをおすすめします。
こちらの記事もご覧ください。 ⇒RSI自由自在!レンジ相場でもトレンド相場でも使える方法とは?
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