レンジ相場はトレンド相場転換への予兆?その見分け方と判断とは

上昇トレンド相場だと思って買い続けていたら、いつの間にか下降トレンド相場に入り、損切りになったことはありませんか?あるいは上昇トレンド相場だから買ったのに、なぜだか為替レートが伸びないとか。

大きな利益をねらうには、トレンド相場とレンジ相場の見分け方を覚えて、早い段階で相場転換を判断することがとても重要です。

1本線を引くだけ!トレンド相場とレンジ相場の見分け方

今の相場がトレンド相場かレンジ相場かを判断するために、為替チャートに1本線を引くだけで見分けられる方法があります。それは為替チャートに「トレンドラインが引けるか、引けないか?」で判断します。

下図は為替チャートのイメージ図です。上昇トレンド相場の場合、為替レートが最初に上昇に転じたところをトレンドの起点(安値①)、次の安値をトレンドの終点として、起点から終点へと斜め右上に線を引きます。この線が引けるということは、上昇トレンド相場であると判断することができます。

ここで注意しなければいけないのは、トレンドラインが引けるということは、トレンドの終点である安値②より為替レートが上昇しないと引くことはできません。つまり、最初の高値(緑の丸)を上抜けて、はじめて上昇トレンド相場がはじまったと判断できるのです。

逆に下降トレンド相場の場合、為替レートが最初に下落に転じた高値①をトレンドの起点、次の高値②をトレンドの終点として、起点から終点へと斜め右下へと線を引きます。この線が引けるということは下降トレンド相場であると判断できます。

上記の説明と同じように、トレンドの終点である高値②を為替レートが下抜けてはじめて下降トレンド相場がはじまったと判断することができます。

では、レンジ相場はどうなるでしょうか?

下図のように高値と高値、安値と安値を線で引くと平行の線が引けます。為替レートの高値も安値も、前の高値と安値を更新せず横ばいの状態。これは相場に方向感が出ていないことを意味するのでレンジ相場と判断できます。

この平行の線は、安値と安値を引いた線はサポートラインといい、高値と高値を引いた線をレジスタンスラインといいます。

このように、トレンドが発生しているかどうかを判断するのに、トレンドラインを1本引くだけで、トレンド相場なのかレンジ相場なのかを見分けることが出来るのは、シンプルかつ便利な方法ですよね。

トレンド相場の途中に現れるレンジ相場の見分け方とエントリー方法

上昇トレンド相場に乗り遅れてしまった時、「あそこで買っていれば、今頃50PIPS取れてたのに!」とタラレバ独り言をしてしまうことはありませんか?そこで、取りっぱぐれたことであせってしまい、高値をつかまされ、判断ミスだっと反省したり・・・FXあるあるですよね。(わたしは何度もありました!)

トレンド相場が形成される時、為替レートは一本調子に上昇したり下落したりすることはなく、必ず、途中で調整局面に入ります。その調整局面はレンジ推移になることが多く、そのレンジ相場のことを中段保ち合いといいます。

上昇トレンドの場合、上昇 -> レンジ相場(中段保ち合い)->上昇、を繰り返していきます。もし、上昇 ->レンジ相場(中段保ち合い)->上昇 ->レンジ相場 ->下降、となった場合、最後のレンジ相場は中段保ち合いではなく、相場転換と判断します。

上昇トレンド相場に乗り遅れた時は、中段保ち合いであるレンジ相場を待ち、押し目買いのチャンスをねらいましょう

下図は豪ドルドル(AUDUSD)の1時間足の為替チャートです。

黄色の部分の最初の青いローソク足で長い陽線を引いていますが、為替レートが動いているときに、この陽線を見ると乗り遅れた気分になりますね。そして、ここで買ってしまうと、高値づかみになってしまいます。ということで、ここはちょっと冷静になって待ちと判断します。

下図は1時間足の黄色い部分を5分足の為替チャートにして見てみましょう。見事なレンジ相場ですね。1時間足では上昇トレンド相場の途中で、トレンド継続中と判断します。5分足でみると、レンジ相場、つまり中段保ち合いであることがよくわかります。

通常、レンジ相場の上限を上抜けて買いエントリーとなりますが、この場合は、1時間足の為替チャートに表示してある20日移動平均線(赤線、MA20)にタッチしたポイントで、反転上昇を確認して買いエントリーします。5分足の為替チャートでは矢印をしたポイントが、1時間足の20日移動平均線にタッチしたところになります。

この買いエントリーの理由を書くとこうなります。

  • 1時間足で上昇トレンド継続中(移動平均線3本が離れていて、上向きである)
  • 20日間移動平均線にタッチしたところは、5分足のサポートラインと同レベル

トレンド転換の見分け方をマスターしよう

FX初心者にとって、ずっと続いていたトレンドが終わり、新たなトレンドが始まるとき、何を判断基準にすればよいのか迷うことが多いのはないでしょうか?為替チャートを見て、「なんとなくトレンド」とか「なんとなくレンジ」とか、明確な基準もなくトレードをしていたら、継続して利益を上げていくことは難しくなります。

トレンド転換の判断は、テクニカル指標を使って判断する方法やトレンドラインやチャネルラインを使って判断する方法、ローソク足を見て判断する方法など、様々な方法があります。ひとつの判断基準だけでなく、いくつかのトレンド相場転換の見分け方を覚えて、総合的に判断する訓練をすると、より正確にトレンド転換をとらえることができます。

以下の3つは、トレンド転換を判断するのに役立つと思いますので、それぞれの見分け方を熟知してみてください。

  • レジスタンスラインとサポートラインを使った見分け方

強いメインのレジスタンスラインとサポートラインを見極めて、ラインを抜けた時にトレンドが転換したと判断する方法。時間足の長い為替チャートのレジスタンスラインとサポートラインは強力な場合が多いです。例えば、日足の為替チャートのレジスタンスラインとサポートラインを抜けると、大きく動く傾向があります。

  • ダウ理論を使った見分け方

上昇トレンド相場の場合、高値と安値が切り上がって上昇するが、高値と安値が切り下がってきたら、下降トレンド相場に転換したと判断する方法。

  • 移動平均線を使った見分け方

通常、為替チャートに移動平均線を3本(20日、50日、100日)表示させています。上昇トレンド相場の時は全ての移動平均線の上にローソク足が位置していますが、下降トレンド相場の時は、全ての移動平均線の下にローソク足が位置しています。レンジ相場の時は、移動平均線が水平になっているので、トレンド相場ではないと判断できます。

シンプルに考えるなら、上昇トレンド相場の時には20日移動平均線の上にローソク足が位置していたのが、20日移動平均線の下へ移動してしまったら、トレンドが転換したと判断します。

まとめ

トレンド転換を早い時点で判断すれば、大きな利幅を取ることができるようになります。だからといって、トレンド転換の判断をあやまって、どっちでも動きそうなレンジ相場でエントリーしてしまうと、何度も損切りを繰り返すことにもなります。

相場格言にもあるように、「頭と尻尾はくれてやれ」といいます。為替チャートの中で、天井(頭)と底(尻尾)の部分はわかりにくい動きになるので、真ん中のおいしいところだけで利益をとればいいのです。

まずは、トレンド相場とレンジ相場の見分け方をしっかり覚えることで、上昇トレンド相場と下降トレンド相場の転換、レンジ相場からトレンド相場への転換、トレンド相場からレンジ相場への転換なども自然と判断できるようになるはずです。

こちらの記事もご覧ください。 ⇒実際のチャートで徹底解説!レンジ相場兆候の見極め方

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