FXでは、数日内で売買をする短期売買と、数週間から数ヶ月とポジションを保有する長期投資があります。短期売買は毎日少しずつ利益を積み上げるのに対して、長期投資はスワップ金利や大きな利益を狙います。
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FXトレードでは、短期売買と長期投資、どちらが有利なのでしょうか?現在の相場環境も考慮し、メリットやデメリットを考えます。
最近の投資環境は長期投資に向かない?
毎日、テクニカルを使ってチャート分析に基づいたトレードをしていても、経済や政治、金融政策などのファンダメンタルな要素は常に把握しておかなければなりません。
2000年頃にFXトレードが流行りはじめた頃、長期投資でドル円を保有してさえいれば、儲かるという時期がありました。ドル円相場が上昇トレンドで一方方向に動いていて、誰でもドル円を買ってしばらく持っていれば儲かるという相場環境だったのです。
しかし、リーマンショック後にドル円が下落を始めました。その時、多くの日本の個人投資家は「どうせまたドル円は戻すだろう」と長期投資のスタンスを変えずにのんびりと構えていたのです。
その後、ドル円は100円を割り込み、70円代まで下落!その結果、含み損に耐えられなくなった個人投資家やロスカットになった個人投資家が続出、大損失を出したという話はFXの世界では語り草になっています。
911の同時多発テロやリーマンショック以降のグローバルの環境は、テロに対する脅威、EU問題、不透明な世界や政治情勢などの不安要素が多いように思います。
そのような環境下で、長々とポジションを保有し長期投資することはリスクがあるように感じます。
さらに、豪ドルやニュージーランドドルなどの高金利通貨も、長期投資で持っていればスワップ金利が毎日入ってくるといった、FXトレーダーにとっては良い時代がありました。しかし、現在の低金利環境下では、スワップ収入はあまり期待できません。
例として、2008年に7%以上あった豪州政策金利は、いまや1.5%(2017年5月現在)になってしまい、豪ドルを買って長期保有していても、昔ほどのスワップ金利はつかなくなってしまいました。
このように、最近のFXの投資環境は、長期投資でポジションを保有する投資妙味があまりないように感じます。
為替アナリストの長期為替予測は当たらない!?
FXで長期投資をしようと考える時は、「今年のドル円は年末までに150円まで上昇」といったような為替予測が目に入るのではないでしょうか?金融新聞、ロイターやブルームバーグでのネットニュースなどで登場する為替アナリストの相場予測ですが・・・当たりません!(笑)
別に為替アナリストをけなしているわけではありません!為替アナリストや経済アナリストも立派なプロで、すべき仕事をしているのですから。こういったプロが言いたいのは、「現時点の為替相場状況だったら、年末までに150円になる」という意味ですから、分析結果に基づいた根拠があると思うのです。
しかし、残念ながら、相場状況は刻一刻と変わります。今年は、すでにトランプ大統領が当選するといったサプライズがありました。その時、トランプが大統領になったらドル円は下落するといった予測が多かったのですが、一時下げたものの、結局、反転上昇したことが記憶に新しいです。
そんなトランプのことなど、為替アナリストが年初に予測することなど不可能なことです。為替アナリストを責めることはできません。というより、結局、将来のことは誰にもわからないのです。為替アナリストも予測しろと頼まれるので、しているにすぎません。
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人間は、「聞きたいことは耳に入る」という傾向があります。ドル円が現在120円だとして、なんとなく「今年はドル円が上昇しそう」と思っていたところに、先程の150円の予測が目に飛び込んできたら、変な自信がついて買ってしまったりするのが人間なんですね。
これは短期売買でもいえることですが、為替アナリストなどの為替予測は基本見ない方がいいと思います。少しでもそういった情報が頭にインプットされると、自分の短期売買や長期投資判断に影響を及ぼすことになるからです。
わたしも、毎日の為替チャート分析のメルマガでもらっていますが、今はなるべく見ないようにしています。なぜなら、微妙に自分の短期売買の判断に影響していることに気づいたからです。
なので、そのメルマガの為替チャート分析は、トレードが終わった後のトレード検証の時に使わせてもらっています。
長期投資であっても短期売買であっても、自分のトレードスタイルや手法を確立すべきであって、為替アナリストの相場予想を自分のトレード判断の材料にしないように注意しましょう。
FXの特性を最大限にいかせる短期売買
為替市場は、不動産投資などと違って、すぐに売買取引が成立する、つまり流動性が非常に高い市場です。しかも、週末や祭日を除いて、24時間市場はオープンしているのですから、このFXの利点を使わない手はないでしょう。
さらに、FXトレードはレバレッジを効果的に使うことで、より大きな利益をねらうことができます。長期投資だと、どうしてもリスク管理の観点から、レバレッジを低めに抑えなければなりません。
しかし、短期売買であれば、ポジションを保有する期間が短いので、レバレッジも高めに設定しトレードすることができます。
さらに、短期売買の場合、チャンスがあれば様々な通貨ペアを機動的にトレードすることができるのも魅力的です。例えば、ドル円がレンジ相場になったら、トレンドが出ているポンドドルをトレードするといったことが短期売買だと簡単にできます。
FX初心者には長期投資と短期売買、どちらがいいの?
FXトレードを始めると、どの程度頻繁にトレードすればいいのかと悩みますよね。ほとんどの方は、仕事や勉強、子育てや家事の合間をぬって、FXトレードに励んでいるのではないかと思います。
そうなると、チャートを見る時間は限られてくるので、長期投資を選ぶかもしれません。ただ、長期投資だとまずかなりの資金がないと、なかなか増えてくれません。
悲しいかな、お金のあるところにはお金がさらに集まってくる、という原理です(泣)
さらに、長期投資の場合、ポジションを長く保有しているということは、つまりリスクに長期間さらされていることになります。
100PIPSから200PIPSレートが動いたらといって、いちいちビクビクしていたら、長期投資にならないのです。資金が多ければ耐えられますが、資金が少ないと耐えられないですよね。
以上の理由から、お金持ちのFX初心者の方(そもそもお金持ちならFXはしない気もしますが(笑))なら、長期投資をおすすめしますが、少ない資金からはじめる方にはおすすめできません。
それでは、時間も限られていて、資金も少ないFX初心者はどうすればいいのでしょう?
短期売買といっても、毎日、何度も買ったり売ったりを繰り返すことは難しくても、1日に3回ぐらいはチャートをチェックする時間はありますよね。
詳しい短期売買のトレード方法は、短期売買で勝つ!初心者でもわかる超簡単なテクニカル分析とは?の記事内のゆっくりめの短期売買!ソフィアのまったりデイトレードとは?にまとめてありますので、参考にしてみてくださいね。
まとめ
現在の不透明な世界環境や低金利時代において、FXでの長期投資は難しいと感じます。しかし、米ドル、ユーロ、豪ドルなどの外貨建て口座を持っておくことは、リターンを得るということよりも、リスク分散において意味があるとは思います。
自分のライフスタイルに合ったトレード手法を確立するのは、少し時間がかかるかもしれませんが、せっかくFXトレードを始めたのですから、短期売買でFXの醍醐味を味わうことをおすすめします。
最初は、短期売買でお小遣い程度を目指す程度でもかまいません。「ちりも積もれば山となる」です!
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