チャートに移動平均線を表示しようと思った時に、いろいろな疑問が浮かんできますよね?
「そもそも移動平均線はFXに使えるのかな?」とか「FXチャートに表示させる時、どう設定するのがいいのかな?」とか「移動平均線を表示したものの基本的な見方は?」等々・・・
まずは、疑問は解決して基本を押さえてから、移動平均線を使い始めましょう!
移動平均線はFXトレードに使えるの?
FXトレーダーに最も人気のあるテクニカル指標といえば「移動平均線」といわれているほど、歴史も古く信頼度の高い指標ではないでしょうか?
外国為替相場は、トレンドが明確に出やすく、いったんトレンドが出ると、比較的トレンドが継続する傾向があります。
そして、トレンド系テクニカル指標の代表格である、移動平均線は、相場の方向性、つまりトレンドを見極めるのに大変適しているといえます。しかも、移動平均線の見方もシンプルで、視覚的にトレンドを捉えることができます。
特に、FX初心者の場合、数あるテクニカル指標の中からまずは移動平均線をFXチャートに表示させることをおすすめします。移動平均線の見方に慣れるまでは、ちょっと時間がかかるかもしれませんが、一旦覚えてしまえば、トレードの強いミカタになってくれるはずです。
ということで、トレンドに強い移動平均線は、FXトレードに使えるので、安心してお使いくださいませ・・・(笑)。
移動平均線の周期設定はどうしよう?
移動平均線をFXチャート上に表示する時に迷うことがあります。それは、移動平均線の周期の設定。
計算周期の異なる移動平均線を表示するのですが、まず下記を覚えておきましょう。
超短期移動平均線 ・・・ 5、10、13、15
短期移動平均線 ・・・ 20、21、24、25
中期移動平均線 ・・・ 48、50、75、89
長期移動平均線 ・・・ 100、125、150、200
この周期の数字は、ローソク足の数のことです。例えば、日足チャートに移動平均線を表示して、20を選んだとします。この場合、この20はローソク足の本数になるので、20日移動平均線になります。
これを、1時間足チャートに表示した場合、ローソク足20本分で20時間、5分足チャートならローソク足20本分で100分というように、チャートの期間によって異なります。
超短期移動平均線は、値動きに対する反応が非常に早くなります。そして、周期が長くなるにつれて、値動きに対する反応が遅くなっていきます。
移動平均線は、ローソク足を支えたり、頭を押さえたりと、サポートラインやレジスタンスラインの役割を果たすこともあります。周期の長い移動平均線になるにつれ、ローソク足に対する力が強くなっていきます。つまり、周期の長い移動平均線のサポートやレジスタンスの信頼度は高くなるということです。
さらに、短い周期の移動平均線は、目先の相場を見るのに役に立ちますが、長い周期の移動平均線の方が相場の大きな流れを見るのに適しています。
さて、同じ短期移動平均線で、20日移動平均線と25日の移動平均線とどれぐらいの違いがあるのか、実際のFXチャートでみてみましょう。
下図はドル円の日足チャートになります。赤線が20日移動平均線で緑線が25日移動平均線です。
20日移動平均線の方が、わずかに値動きに対する反応は早いものの、そんなに違いはないことがわかります。そういう意味でも、あまり周期にはこだわらなくても大丈夫です。
ちなみに、週足チャートでは13、26、52、月足チャートでは12、24、60、120といった周期を使うのが一般的です。
移動平均線の種類はどれを選べばいいの?
次に移動平均線の設定をしようとすると、いくつかの種類があって、どの移動平均線を選べば良いのか迷ってしまいます。主な移動平均線は次の3つです。
単純移動平均線・・・Simple Moving Average(SMA)
指数平滑移動平均線・・・Exponential Moving Average (EMA)
加重移動平均線・・・Weighted Moving Average(WMA)
単純移動平均線は、一番最初に作られた、いわば「オリジナル」。ある一定の期間の終値を平均した値を結んでるので、文字通りシンプルな移動平均線です。オリジナルだけに、今でも多くのトレーダーが使っています。
指数平滑移動平均線は、直近の価格を重要視する考え方です。なので、直近の値に加重を加えて計算することで、一番現在に近い値の影響を大きくうけた線を描くことになります。
加重移動平均線は、指数平滑移動平均線に近い考え方です。単純移動平均線のように、単に平均するのではなく、新しい値に加重平均をして計算しています。
なぜ、単純移動平均線だけでなく、他の移動平均線もできてしまったのでしょう?それは、単純移動平均線だと、現在の相場状況に対する反応がちょっと鈍いので、もっと早く反応を見たいということから、修正版が出てきたんですね。
ではこの3種類の移動平均線をドル円の日足チャートに表示してみると、どれぐらい違ってくるのかみてみましょう。
確かに単純移動平均線より、加重移動平均線や指数平滑移動平均線のほうが、反応が早いようですね。しかし、トレードを行うにあたって、この違いが支障になるかといったら、ならない程度だと思います。
移動平均線には、サポートラインやレジスタンスラインの役目を果たすこともあるのですが、そのあたりはどうでしょう?
上の日足チャートのオレンジ丸の部分を拡大したのが下図のチャートです。
水色の丸の部分、加重移動平均線がローソク足を支えていて、サポート機能として働いたという見方ができます。次のオレンジの丸の部分ですが、最初の陰線のローソク足は、単純移動平均線で支えられ、次の陽線のローソク足は指数平滑移動平均線で支えられています。
ということは、それぞれ機能する場面が違うので、一概にどれがいいとか悪いとかいえないと思います。特に、チャートのトレンド分析をする時には、どの移動平均線でも変わりはないと思います。
単純移動平均線と並んで、指数平滑移動平均線を使っているトレーダーも多いので、為替相場の勢いの強さをみたかったり、早めに仕掛けをしたいなら、指数平滑移動平均線がいいかもしれません。
移動平均線の組み合わせはどうすればいいの?
多くのFXトレーダーは、3本の移動平均線をチャート上に表示していると思います。
私は、最初に勉強したFXの教材が、25、75、200を使っていたので、この組み合わせを使っていたのですが、20、50、100という組み合わせを試験的に使ってみたら、自分には使い勝手が良かったので、今は、20、50、100を使っています。他にも、21、89、200という組み合わせもあるようです。
組み合わせに関しても、長所と短所があり、どれが一番いいということはありません。トレードスタイルや手法、他に使っているテクニカル指標との相性もありますから、結局は、自分がトレードする上で使いやすい組み合わせを表示すればいいと思います。
ただ、FX初心者は、なにかのこだわりがない限り、よく使われている基本的な組み合わせを選ぶのがベストでしょう。
ということで、提案として
- 25、75、200周期の単純移動平均線(SMA)か指数平滑移動平均線(EMA)
- 20、50、100周期の単純移動平均線(SMA)か指数平滑移動平均線(EMA)
であれば、よく使われている組み合わせと移動平均線の種類なのでおすすめです。
移動平均線の基本的な見方は?
移動平均線の見方として、傾きの方向がトレンドの方向なので、視覚的にトレンドをとらえることができます。つまり、上方向に傾いていれば上昇トレンド相場、下方向に傾いていれば下降トレンド相場となります。さらに、移動平均線の傾斜がきつければきついほど、相場の勢いが強いとの見方ができます。
その時に、ローソク足が移動平均線の上に位置しているのか、それとも下に位置しているのかを確認することが重要です。ローソク足が上に位置してれば上昇トレンド相場、下に位置していれば下降トレンド相場という見方は押さえておきましょう。
移動平均線はいつも上か下の傾斜ではないですよね。下のチャートのように、移動平均線が平行線になり、3本の移動平均線が縄を編んだように入り組んでしまう時があります。こういったチャート状態の時は、レンジ相場であるとの見方ができます。
他にも、トレードの判断基準にする移動平均線の見方がありますが、情報が多すぎて頭が爆発するといけないので次の機会にまわします。
まとめ
FX初心者によくあるのは、まださほど移動平均線を使いこなしていないのに、だましに合って使いものにならないと決めつけてしまうこと。そして、移動平均線を使うのを止めて、他に使いやすいテクニカル指標はないかと探すのです。
これでは「テクニカル指標ジプシー」です。永遠に、テクニカル指標から次のテクニカル指標を追い求めさまようことになります。そうすると、FXトレードで利益を出し続けることは不可能です。
どのテクニカル指標にも、長所と短所があるので、いくつかのテクニカル指標を組み合わせることは必要です。そして、一旦、移動平均線を使ってみようと決めたら、チャート分析を定期的に行い、トレンドの見方が合っていたか?どういう場面で移動平均線が有効に機能したか?あるいは有効でなかったかを検証します。
移動平均線などのテクニカル指標は使えるようになるまで、とことん使ってみることをおすすめします。
もし、結婚がいまいちと感じている方がいらしたら、いっそのこと、旦那さん(奥さん)も使えるようになるまで、とことん使ってみてはいかがでしょうか(笑)?
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