FXトレードで活用できる移動平均線の種類は何種類かあるのを知っていますか?わたしはFX初心者の頃は移動平均線といったら1種類しかないと思っていました。お恥ずかしい話!
自分のFXチャートに表示する前にどんな種類の移動平均線があるのかは知っておきたいですよね。その上で、どの種類の移動平均線を使うかはあなた次第です!
最初に開発された単純移動平均線
単純移動平均線は、1960年代にジョゼフ・グランビルが開発した元祖移動平均線です。英語ではSimple Moving Average (SMA)と呼び、略してSMAと表示されることが多いです。
単純移動平均線は、一定の期間の終値の平均値を結ぶことでラインが作られます。例えば、期間を5と設定したとします。この期間はローソク足の数なので、期間を5と設定した場合、ローソク足5本の終値の平均値になります。
下図はドル円の1時間足チャートです。単純移動平均線で期間は5です、ということは一番最後の移動平均線の値は、過去ろうそく5本、つまり5時間の終値の平均値になります。
過去5本のローソク足の終値は次のようになります。
①113.250
②113.235
③113.196
④113.130
⑤112.951
なので、113.250+113.235+113.196+113.130+112.951を5で割れば、一番最後のローソク足の移動平均線の値である113.152になります。
単純移動平均線の長所として、ラインがスムーズで、いわゆる「だまし」のサインが比較的少ない傾向があります。
一方、単純移動平均線の短所は、ある一定の期間のローソク足の終値を単純に平均しているだけなので、直近の動きにちょっと鈍感になってしまいます。つまり、急上昇や急落などの相場の動きには、素早くついていけないのです。
一長一短はありますが、やはり元祖移動平均線ということもあって、多くのトレーダーが今でも単純移動平均線を愛用しています。
ちなみに、MT4で移動平均線の種類を設定する時には、「Simple」を選択してください。
MT4に移動平均線を設定する方法はこちらを参考にしてください。 ⇒FX初心者も迷わず出来る!MT4に移動平均線を設定する方法
修正版の指数平滑移動平均線(EMA)
指数移動平均線は、単純移動平均線が直近の値動きへの反応が鈍いことを改善する目的で開発されました。英語ではExponential Moving Averageといい、略してEMAと表記します。
この指数平滑移動平均線は、直近の終値に重きをおいて計算されるので、反応の速さから人気があり、広くトレーダに使われています。計算式は、次の通りです。
「(ローソク足の終値)×α(通常2倍)+(1本前のローソク足のEMA)×(期間n-1)」÷「n+1」
先程のドル円の1時間足チャートに、今度は指数平滑移動平均線(5EMA)を表示してみました。
一番最後のローソク足の終値⑤は112.951です。そして1本前のローソク足④のEMA113.130でした。それを先程の式に当てはめると下記のようになります。
112.951×2+113.130×(5-1)÷(5+1)=113.121
この式から分かるように、直近の終値を重要視しているので、単純移動平均線より感応度がいいわけですね。
下のチャートは、豪ドルドル(AUDUSD)の1時間足チャートです。赤線が単純移動平均線(20SMA)で緑線が指数平滑移動平均線(20EMA)です。
レートが急落している局面ですが、指数平滑移動平均線のほうが反応が早いことがわかります。
指数平滑移動平均線は相場の転換に早く対応できる副作用として、単純移動平均線と比べて「だまし」のサインを出してしまうことも多くなります。しかし、単純移動平均線より早い反応を好むプロのトレーダーなどは、指数平滑移動平均線を愛用しているようです。
MT4で移動平均線の種類を設定する時には「Exponential」を選択してください。
海外では知られている加重移動平均線
加重移動平均線も、指数平滑移動平均線と同じように、直近の終値を重視する移動平均線です。英語ではWeighted Moving Averageといい、WMAと略して表記されることが多いです。
加重移動平均線は、指数平滑移動平均線が開発されてからは、少し影が薄くなってしまったようです。直近に近いほど加重平均を重くしている計算式は次の通りです。5期間の場合、
(5×直近のローソク足の終値)+(4×1本前のローソク足の終値)+(3×2本前のローソク足の終値)+(2×3本前のローソク足の終値) +(1×4本前のローソク足の終値)÷(5+4+3+2+1)=5期間の加重平均の値
先程のドル円の1時間足チャートに加重平均線を表示するとこうなります。
そして、先程の式に数字を入れていくと
(5×112.951)+(4×113.130)+(3×113.196)+(2×113.235) +(1×113.250)÷(5+4+3+2+1)=113.106
ということで、一番直近のローソク足に位置している加重平均線の値は113.106になります。
加重平均線の特徴として、相場が大きく動いた局面では、「ダマシ」のサインが出る傾向があります。そして、相場が緩やかに上昇しているときや下落している時は、うまく機能することが多いようです。レートに応じてきれいなラインを描いている時は、トレンドが出ていると判断できます。
補足ですが、MT4で移動平均線の種類を設定する場合、「Linear Weighted」と表示されますが、計算してみたら加重移動平均線と同じだったので、WMAを使う場合はLinear Weightedを選択して大丈夫だと思います。
まとめ
移動平均線の種類によって、多少の違いはあるものの、どの種類の移動平均線を使っても大差なくトレードできるはずです。この中で、自分が使いやすいと感じた移動平均線を使ってみればオッケーです。
ただ知識として移動平均線の種類と特徴を理解しておくことは大事です。将来的に、トレードに自信がついた時に、トレード手法にも幅が出てくるかもしれません。
例えば、スイングもしくは短期売買に使いやすい移動平均線を選んで検証してみたり、チャートの期間や通貨ペアによって違う移動平均線を使ってみたりということも考えられますよね。
でも、応用はいつでも出来るので、まずは自分が決めた移動平均線を使い倒してみましょう!
こちらの記事もご覧ください。 ⇒移動平均線のクロス手法でトレンド転換を見極める方法とは?
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