検証!移動平均線のEMAとSMAの成績の差を比べてみたら?

前回、移動平均線のSMA(単純移動平均線)だけを使ってシンプルトレードの検証をしたら、驚きのいい結果が出たことをブログでご紹介しました。そこで、前回と全く同じ手法を使い、今度はEMA(指数平滑移動平均線)を使ったらどのような成績になるのかを検証してみました。

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今回も興味深い結果になりましたので、検証結果をご報告します!

SMA(単純移動平均線)とEMA(指数平滑移動平均線)の違いとは?

移動平均線の種類はいくつかありますが、プロから個人のトレーダーさんまで広く使われているのはSMAEMAではないでしょうか。

SMAとEMAは、基本、動きにそんなに大差があるわけではありませんが、EMAはSMAよりも値動きに早く反応することが出来るように開発されたものです。

ようするに、SMAを使っているせっかちトレーダー(笑)さんが、「反応遅いよぉー、もっと値動きに素早く反応してくれないと困るよぉー!」ってクレームしたかどうかは知りませんが、そういった要望に応えた、改訂版がEMAなわけですね。

移動平均線の種類や特徴については、過去のブログ記事 FX初心者でも理解できる移動平均線の種類と特徴とは?で、もう少し詳しく説明しているので参考にしてください。

今度はEMAでシンプルトレードを検証

前回は移動平均線SMAだけを使って、シンプルトレードを検証してみましたが、今回は同様のトレード方法でEMAを使って検証してみました。SMAで設定した期間は20でしたので、今回も同様の短期移動平均線、20EMAを使用します。

前回の記事をご覧になってない方は、まずこちらの記事、移動平均線 を上抜けたり下抜けたりするローソク足に注目しよう!を先にお読みください。

上昇トレンド相場でのトレード方法ですが、エントリーする時は、上抜けたローソク足の次のローソク足の始値でエントリーし、決済するときは、下抜けたローソク足の次のローソク足の始値で決済します。

その際に、EMAの向きには注意します。ローソク足がEMAを上抜けても、EMAが下向き、もしくは水平の場合は、エントリーを見送りします。もし、そのままローソク足がEMAの上にあって、EMAが上向きになったら買いエントリーをします。

あくまで大きな流れは上昇トレンド相場なので、逆張りである売りのエントリーはしないことにします。

次のチャートはドル円1時間足のチャートで、前回のSMAの時に使った同じチャートですが、今回はEMAを表示しています。

×の① ローソク足の実体が移動平均線を上抜けたが、移動平均線は水平なので、エントリーは見送り。

○の① 移動平均線が上向き、ローソク足(陽線)を引いた後のローソク足の始値でエントリー。その後、ローソク足が移動平均線を下抜いたので青色の矢印①決済。+110PIPS

ちょっと微妙な感じ?

○の② 移動平均線が上向き、ローソク足(陽線)を引いた後のローソク足の始値でエントリー。その後、ローソク足が移動平均線を下抜いたので、青色の矢印②で決済。+42PIPS

Xの② ローソク足の実体が移動平均線を上抜けたが、移動平均線は水平なので、エントリーは見送り。

○の③ 移動平均線が上向き、ローソク足(陽線)を引いた後のローソク足の始値でエントリー。その後、ローソク足が移動平均線を下抜いたので、青色の矢印③で決済。-8PIPS

Xの③ ローソク足の実体が移動平均線を上抜けたが、移動平均線は水平なので、エントリーは見送り。

○の④ 移動平均線が上向き、ローソク足(陽線)を引いた後のローソク足の始値でエントリー。その後、ローソク足が移動平均線を下抜いたので、青色の矢印④で決済。‐11PIPS

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○の⑤ 移動平均線が上向き、ローソク足が移動平均線を上抜いたので、次のローソク足の始値でエントリー。その後、ローソク足が移動平均線を下抜いたので、青色の矢印⑤で決済。+28PIPS

下のチャートは上のドル円チャートの続きになります。

○の⑥ 移動平均線が上向き、ローソク足が移動平均線を上抜いたので、次のローソク足の始値でエントリー。その後、ローソク足が移動平均線を下抜いたので、青色の矢印⑥で決済。+2PIPS

○の⑦ 移動平均線が上向き、ローソク足が移動平均線を上抜いたので、次のローソク足の始値でエントリー。その後、ローソク足が移動平均線を下抜いたので、青色の矢印⑦で決済。+2PIPS

○の⑧ 移動平均線が上向き、ローソク足が移動平均線を上抜いたので、次のローソク足の始値でエントリー。その後、ローソク足が移動平均線を下抜いたので、青色の矢印⑧で決済。0PIPS

○の⑨ 移動平均線が上向き、ローソク足が移動平均線を上抜いたので、次のローソク足の始値でエントリー。その後、ローソク足が移動平均線を下抜いたので、青色の矢印⑨で決済。+8PIPS

○の⑩ 移動平均線が上向き、ローソク足が移動平均線を上抜いたので、次のローソク足の始値でエントリー。その後、ローソク足が移動平均線を下抜いたので、青色の矢印⑩で決済。+60PIPS

×の④ ローソク足の実体が移動平均線を上抜けたが、移動平均線は水平なので、エントリーは見送り。

○の⑪ 移動平均線が上向き、ローソク足が移動平均線を上抜いたので、次のローソク足の始値でエントリー。ローソク足が移動平均線を下抜いたので、青色の矢印⑩で決済。‐12PIPS

○の⑫ 移動平均線が上向き、ローソク足が移動平均線を上抜いたので、次のローソク足の始値でエントリー。ローソク足が移動平均線を下抜いたので、青色の矢印⑫で決済。+12PIPS

×の⑤ ローソク足の実体が移動平均線を上抜けたが、移動平均線は水平なので、エントリーは見送り。

○の⑬ 移動平均線が上向き、ローソク足が移動平均線を上抜いたので、次のローソク足の始値でエントリー。ローソク足が移動平均線を下抜いたので、青色の矢印⑬で決済。‐24PIPS

○の⑭ 移動平均線が上向き、ローソク足が移動平均線を上抜いたので、次のローソク足の始値でエントリー。ローソク足が移動平均線を下抜いたので、青色の矢印⑭で決済。+81PIPS

2017年6月15日から7月10日まで計14回の買いエントリーで209PIPS(スプレッドを除く)ぐらい取れています。もちろん、24時間チャートに張り付くことは不可能ですし、EMAの向きが微妙なところがあり、多少見方や判断が変わることはあります。うまく半分取れたと考えて100PIPSの利益は確保できそうです。

SMAとEMAを比較してみると・・・

移動平均線を使ってのシンプルトレードでしたが、SMAとEMAを比べてみると以下のようになりました。

SMA EMA
 合計獲得PIPS 321PIPS 209PIPS
 エントリー回数 10回 14回
 勝ちトレード回数 8回 9回
 負けトレード回数 1回  4回
 引き分け 1回 1回

 

比較しやすいように、SMAとEMAの両方のチャートを下に添付しておきます。

SMA-1

EMA-1

SMA-2

EMA-2

EMAのほうが直近の値動きに素早く反応するだけに、エントリー回数が多くなってしまいます。SMAより忙しいトレードですが、それでもちゃんとプラスの成績で上々の出来ですよね。

まとめ

正直言うと、このシンプルなトレード手法であれば、SMAとEMAでパフォーマンスにほとんど違いはないのでは?と思っていました。やはり実際に検証してみないとわからないものですね。

こういう検証作業は確かに面倒くさいのですが、自分でひとつひとつ丁寧にチャートを見ていくことで、気づきがあることも事実です。

この結果を見て、SMAのほうがいいかも!と早合点するのではなく、SMAとEMAの特徴から、エントリー回数や獲得PIPSに違いが出てくるものなんだということを認識しておくことが大事だと思います。

もちろん、短期移動平均線だけでトレードをすることはないですから、SMAとEMAの特徴をよく理解してトレードスタイルや他のインジケーターとの相性を見て、自分に合ったものを使うのがベストですよね。

こちらの記事もご覧ください。 ⇒FX初心者への処方箋!移動平均線乖離率を使う利確方法とは?

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